副住職の法話推敲記録ノート

お盆のお経

お寺に入る前の職場の機関紙に文章を投稿させていただいています。
その15です。

『お盆のお経』です。
お寺を活用しませんか15

カンカン照り猛暑の中、少し強がって挨拶をいたします。
「本当に『良い天気』が続きますね!」。

ハハハ。和尚さん、良い天気過ぎますよ
暑い中ご苦労さまと笑顔で迎えていただけます。

 

あらかじめ冷房と扇風機でよく冷えた仏間で、
ロウソクと線香をつけ、
「早速ですがお盆のお経を始めます。
経本の45ページのお経と、経本に載っていないお経をお詠みしますね」
お経先祖代々
おひとりお一人の全ての戒名をお読みします。

 

ご苦労さまでしたとお茶をいただき、
「(一年ぶりにお会いしますが)
お元気そうで何よりです。お変わりありませんか?」
とお話が始まります。

 

この「お盆のお経」

お寺の世界では
棚経(たなぎょう)」といって、
8月の13日14日15日の3日間
ご先祖さまが家に戻って来られることに合わせて、

それぞれのお宅お経を詠んで廻るのが古くからの風習なのです。

 

この限られた3日間
全ての檀家さんのお宅を廻りきることができるのか、
どこのお寺でも課題になっていて、

 

遠方は取りやめてお寺の近くの檀家さんに限定しているところ、

他寺院の副住職や修行僧を助っ人として頼むところ、

そもそも棚経そのものを止めてしまうお寺もあるほどです。
檀家さん側としても、
お寺がいったい何時くるのか
例年のおおよその予想はついても
結局半日ほど家にいなければならなかったり、

 

昔のように不在の場合に鍵もかけず
お坊さん勝手にお経をあげることも、
今は防犯上難しかったり

 

仕事の都合がなかなかつきにくいこのご時世、
悩ましい問題でもあるのです。
この棚経。
永正寺ではもちろん3日間で廻りきることは不可能です。

 

そこで実は7月の初めから、
遠方は東京や神奈川などから、

愛知県内江南市内
住職と副住職(私)の2人で廻りきるスケジュールを組んで、

事前に檀家さんに訪問日時を
何月何日何時何分前後30分」として、
お知らせしてお伺いするようにしています。

 

なるべく効率的にまわることができるような
このスケジュール作成自体大変な作業で、

千秋病院時代に培った
エクセルアクセスの活用フルに活かしています。

 

もちろん
都合がつかない場合
スケジュールを組み直したり、

葬儀などの急なことがあれば
変更しなければならず、

 

件数が件数だけに
毎日、朝から夜まで綱渡りのような緊張感で
お経に走り回る1ヶ月半になっています。
断られない限り意地でも!?全ての檀信徒さんを廻るのは、
実は棚経の日時の案内と一緒に

「年会費」「お施餓鬼の申込書」を同封していて、
直接お伺いした際にその両方をお預かりできる
とても貴重な機会でもあるからです。

 

ちなみに「お施餓鬼」とは
多くのお寺で行われている最も大きな行事で、
永正寺では毎年1日で1,000人近くの方がお参りされ、

子どもなど家族連れでのお参り、
お抹茶ソフトクリームなどでご一服。

年に一度ご先祖さまに思いを馳せる貴重な機会が受け継がれ、
自然な情操教育となるものです。
もちろん1年ぶりにお会いしてお話できることが何より貴重です。

このプライバシー重視社会の中、
こころよく丁重に家の中にまで招かれる存在は、
そうそう他にはありません。

 

その際に、
永正寺がこれからしようとしていることや、
これまで取り組んできたことの話や、
檀家さんの状況に合わせた「仏事相談会」にもなりますし、
回を重ねるごとに親しさが増していきます。
気心が知れ
親しさが増していく反面
この棚経を私が担当し始めた10年前
皆さん元気でお若かったのです。

 

当然なことですが、
年々、年を重ねられ、
あれ?去年はあんなにお元気だったのに」と
どうお声掛けしていいか戸惑うこともしばしばです。

 

副住職、最初に来た時は、すごく若々しかったね!」と
少し貫禄!?がでてきたことを褒めて!?もらえたりします。

時の流れを感じます。』

 

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