お寺に入る前の職場の機関紙に文章を投稿させていただいています。
その30です。
『皆さん眠れていますか?眠りを育てる眠育活動!栄中日文化センターで講師をします!』です。
『皆さん、眠れていますか?
現代日本人は、
諸外国に比べて睡眠時間がかなり短いという統計があります。
もともと「寝る間を惜しんで努力する」
「夜なべする」という言葉が抵抗なく受け入れられる文化だからなのか、
365日24時間休みなく動き続ける社会のせいか、
高ストレス社会で眠れない人が急増しているからなのか。
おそらくその全てが原因となっているのだと思いますが、
最近NHKでも「睡眠負債」として取り上げられるなど、
「睡眠」の問題が、今、注目されています。
医療介護の職員は、
命を扱うことの精神的緊張、
長時間勤務、
診療報酬改定等政策に大きく影響される経営的問題、
慢性的な人手不足など、
他業界と比べてもメンタルヘルスの危険性の高い環境にありますが、
心の健康の問題は、実は「睡眠」と密接な関係があります。
心の病気で通院療養、
治療投薬などが必要な場合のほとんどの方が
「不眠症」を抱えています。
また「不眠症」を経由して精神疾患を発症する割合は
4割を超えると言われています。
ストレスや悩み、多少の苦しみを抱えることは
現代社会に生きる私たちにはある程度は仕方ないとしても、
眠れないほどになってしまったら要注意です。
睡眠はメンタルヘルスの重要なバロメーターであり、
睡眠が不足すると、
睡眠の役割である「脳の休息」や「ストレスの消去」などが不十分となり、
毎日それを蓄積してしまうことになりかねません。
睡眠の質の確保は、
私たちのメンタルヘルスの予防・維持・向上に大きな役割を果たすのです。
実は1年ほど前より、
『日本快眠協会』の今枝昌子さんとのご縁をいただいて、
お寺で眠りを育てる「眠育(みんいく)」活動を取り組み始めています。
この協会のユニークな特徴は、
「顔は表情や化粧でごまかせても、足裏は嘘がつけない!?」。
眠れない人の足の裏がガチガチに固まっている症状をほぐし、
血流を良くして眠れるカラダづくりを行う
「足裏リフレクソロジー」です。
「1分間の深イイ話」などのテレビで取り上げられるなど注目されています。
勉強すればするほど「眠育」と仏教は非常に共通する部分が多く、
目指すべきものが同じであることに「目が覚める」思いがありました。
お釈迦さまが始められた「仏教」とは、
心の健康、メンタルヘルスを調え向上させていこうとするものですが、
「心」を扱うのにもかかわらず、
実は、「心に直接」働きかけることをしないものです。
それは「心」がとても扱いが難しいものであって、
痩せようと思うほどたくさん食べたくなったり、
神を信じると時に独善的になってしまったり、
忘れてしまいたいと願うほど思い出してしまったり。
「心に直接」働きかけようとすると、
かえって苦しみを増加させたり、
次の苦しみの種になってしまう人間の本質を深く理解しているからです。
直接的ではなく「間接的に」心に働きかけること
(例えば「坐禅」では、
姿勢を調え、呼吸を調えることを
繰り返し繰り返し訓練して身に付けていくことによって、
苦しみの少ない心に調えていくこと)こそ実は、
仏教の最も本質的な特徴であり、
他の宗教などにはない唯一のものだと思えます。
「眠育」においても、
繰り返し日々の生活習慣の改善、
カラダづくりで「良質な眠り」を育て、
メンタルヘルスの向上を目指すことは、
仏教とアプローチなどの違いこそあれ、
非常に親和性、共通性があると感じています。
来年2018年の1月より、
ともに僧侶であり「おねむり先生」でもある3人のうちの1人として、
栄中日文化センターで講師をすることになっています。
講座名は『僧侶から学ぶ「眠れるこころとカラダ」+ミニ法話』です。
よろしければ是非ご参加くださいませ。』
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