お寺に入る前の職場の機関紙に文章を投稿させていただいています。
その29です。
『全国的に注目されている「シェア金沢」などを運営!『佛子園』を見学して来ました2』です。
『いろいろな専門施設から匙(さじ)を投げられた、
愛情障害の男性。
子どもの頃は駄々をこねるだけでも
大人になると暴力をふるうような感じになってしまう。
いろいろと専門施設で対応をしてもらったけれど、
最終的に誰にも迷惑をかけないように
折り紙などの一人遊びをする部屋でずっと過ごす。
そんな人が何とかならないかと、
佛子園へ。
テレビ東京系「カンブリア宮殿」でも取り上げられるなど
注目の『佛子園』の雄谷良成(おおやりょうせい・日蓮宗僧侶)さんのお話が続きます。
やはり最初スタッフに暴力をふるようなことになったけれど、
ある時、小さな子どもにギターを弾いてと頼まれて、
「おう!」と弾けもしないのに「ジャラーン♪」
音はあっていなかったけど2人楽しんでいた。
誰かから必要とされる。
承認欲求を満たすこと。
今では、重度障がい者のプールでの補助者などで頑張っている。
ケアを提供する側とケアを受ける人。
明確に区別され、
専門的に研究や対応を工夫して何年も取り組んできてできなかったことが、
障がい者、認知症の方、小さな子などいろいろな人が
「ごちゃまぜ」に関係しあうことによって化学反応をおこすこと。
それを見守りサポートするスタッフ。
西圓寺の地区では、
人口が増えた。
2008年から2016年で55世帯から71世帯へ。
石川県で3割増えたのは唯一ココだけ。
「最初は、叫んでいる人などがいてびっくりしたけれど、
何だかここに住むといろんな人がいて居心地が良い。」
約11,000坪の敷地に、
サービス付き高齢者向け住宅、
福祉・児童入所施設、天然温泉、レストラン、
ライブハウスなどのアミューズメント施設、
アルパカもいる。
街自体を作ってしまった「シェア金沢」。
高齢者住宅の住民が、順番にお店のレジを担当する。
子どもたちで賑わっている店内で
「すごく楽しい。この子どもたちに、どうにかして私の名前を覚えてもらおうと思っています」
などなど次から次へとエピソードが語られ、
私などの文章ではとても表現しきれません。
どう表現したら伝わるのでしょう?
様々な人が関わること、
すべての人が機能する町づくりの素晴らしさに圧倒されました。
人類が誕生して以来、
おそらくユートピアは存在してしませんが、
この「佛子園」の取り組みは、
ある意味それに最も近いものなのかもしれないと思うほどです。
現在の医療、介護、福祉制度は、
認知症の方は認知症の方ばかり、
介護度が高い人、障害の種類・度合などによってより細分化され、
専門的な対応をしていくシステムになっています。
ケア・サービスを提供する側と受ける人と明確に分かれていること。
これらの制度は、ごく当然のようにすすめられていますが、
実は、大きな問題が潜んでいるのではないか。
私も以前、
永正寺の近くには介護施設、こども園、福祉作業所、病院があることもあって、
お寺も含めたそれらの施設で、連携をとっていけないかと考えていたことはあります。
考えただけですが。
介護施設とこども園の利用者が交互に訪問しあったり、
永正寺でボランティアを募ってそれぞれの施設で活動しもらって
老々介護などのシステムができないか。
歌やレクリエーションなどの遊びが中心の介護施設は、
女性は楽しめても男性が馴染めないことがありますが、
作業所のように外部から内職のような作業を受注・製作を行って納品をしたり、
バザーなどで販売するなどの「経済活動」を行って、
一人一人の能力に応じた関りでの「やりがい」を生み出すことができないか。
人と関わること、交流すること、
ご縁ができることが私たち人間にとって本質的に必要なことなのではないか?
「社会的排除」ではなく「ごちゃまぜ」。
これからの私たちの生き方、取り組みに大いに参考していきたいと思います。』
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