2012.9.9
⇒前回からの続きです。
前回、
褒めたり、ニンジン作戦をするなどの
「 ポジティブ刺激 」について述べましたが、
叱ったり、叩いたりなど、
躾(しつけ)に代表される「 ネガティブ刺激 」について述べたいと思います。
繰り返しになりますが、私は、
教育とは、
従たる「 顕在意識 」への働きかけに偏重することなく、
人の主導権を握っている、
「 もうひとりの自分・無意識 」へのアプローチを重視する必要があり、
「 ポジティブ刺激 」と「 ネガティブ刺激 」の両方共を使って
バランス良くなされるべきだと思っています。
褒める、ニンジン作戦などの「 ポジティブ刺激 」は、
個性を見極め、個性に合わせた、個別の対応が基本です。
個人によって好みが違うので、見極め、タイミングなどを工夫して、
粘り強くする必要がありますし、
学級運営などの集団指導の場では、
その個性をまとめるさらなる工夫が必須になります。
これが、
叱る、叩くなどの「 ネガティブ刺激 」は、
怖い、痛いなど、
人間を含めた動物共通の生存本能に直接作用し、
反射的な危機管理信号が働くものなので、
「 ポジティブ刺激 」ほどの個別対応は必要ありません。
集団の中で、
流行り言葉など、楽しいことが伝染するのは、
最初は、小グループからじわじわと広がり、
その中で廃れるものは廃れ、
数少ないものが、全体に流行るような仕組みで、その伝達のスピードは遅いです。
しかし、
恐怖や痛みなど、悪い噂話などは、
瞬く間に集団全体に伝わります。
その最悪の例は、
パニックなのですが、
それほど私たちは、本能的に、「 ネガティブ刺激 」に、敏感に、伝染するものなのです。
だからこそ、
人間教育の根幹である躾(しつけ)として、
「 もうひとりの自分・無意識 」教育に伝統的に取り入れられているのだと思います。
また、
「 勉強しなさい 」
「 勉強するのが、あなた自身のためだよ 」
「 あなたは、将来何になりたいの? 」
口だけで注意されているだけで、本人がどうにも乗り気にならないうちは、
「 うん。わかった 」などと言って、
聞き流したり、受け流すことが案外できてしまいますが、
叱ったり、叩いたりされたら、
勉強するか、そこから逃げ出すか、次に同じようにされないようにするにはどうしたら良いのか?
など、何らかの対応をせざるを得なくなります。
ここまでをまとめますと、
「 ポジティブ刺激 」は、
個性に合わせた工夫が必要で、効果が遅く粘り強くその成果を待つもの。
「 ネガティブ刺激 」は、
強制性と即効性があり、集団に効果が伝播する。
というような違いになります。
このように、
「 ネガティブ刺激 」は、
「 もうひとりの自分・無意識 」の教育に、より効果的(強制性・即効性・全体性)なのですが、
よく効く「 薬 」も、効きすぎると大変なことになってしまうように、
よく効く「 ネガティブ刺激 」も、効きすぎると大変な事故や人権侵害になってしまうので、
なら、よく効かない「 薬 」だけで治療しましょう!
つまり、「 ポジティブ刺激 」だけで教育しましょう!
となるのでしょうか?
<続く>
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