副住職の法話推敲記録ノート

テレビ愛知『宇野、THE 禅』、永正寺で坐禅をしていただきました。

お寺に入る前の職場の機関紙に文章を投稿させていただいています。
その26です。

『テレビ愛知『宇野、THE 禅』、永正寺で坐禅をしていただきました。』です。

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テレビ愛知のアナウンサー、宇野名都美さんが、
永正寺坐禅に来られました

毎週火曜日の朝8:00から数分間放送されている番組で、
愛知県内のさまざまなお寺で坐禅修行をして「看板アナ」を目指すのだそうです。

番組ホームページからYouTubeなどで、
その放送の動画が観られるようになっていますのでよろしければご覧ください。

「宇野、THE禅」で検索していただければと思います。
ロケ当日は、7/14

 

その前日は国宝・犬山城「しゃちほこ」落雷で破損してニュースになり、
その日もあいにくの記録的な大雨、雷で、大口町の五条川が溢れてしまい、
全国ニュースになるほどの中での撮影となりました。

大雨と雷の中での坐禅です。

 

最初に私の方から
「この番組でさまざまなお寺に出向かれ、いろいろな僧侶に指導をされたと思いますが、
どのような変化がありましたか?」

坐禅は、何のためにどんなことを目指してしていると思いますか?」
逆取材!?しました

 

これまで2年ほどこの番組が続けられていて、
自然と一体となるような感覚や心が落ち着くこと。
自分と向き合う時間。
ただ座ることが大切と指導されたなどのこれまでの感想を話していただきました。

 

何のために、
何を目指して坐禅をするということについては

これまで特には無かったようです。

 

そこで、坐禅についての私なりの理解についてのお話をしました。

 

坐禅は、現実を生きるためのトレーニングなんです。」

え?現実を生きるためのトレーニングですか?

 

「そうなんです。
私たちは現実を生きているつもりでいるけれど、
実は、なかなか現実を生きられないものなんです。」

 

「例えば、暑いときもっと涼しいといいなと思ったり、
寒いときはもっと暖かくなるように思ったり、
美味しいものを食べたい、
金持ちになりたい、
もっと人に愛されたい

年をとりたくない
プライドが傷ついた
亡くなった人ともう一度会いたい

などなど何でもそうなのですが、
現実を生きているというよりも、
むしろ自分の思い、思考の中で生きているんです」

 

そうなんですね(相づち)

 

、私たちは、
お抹茶をいただいて(飲んで)いるけれど、
その現実から離れて、どっぷりと自分の思考の世界に浸っていますよね?」

 

「私はよく例に出してお話しするのですが、

【注射】をされるときは、
打つ前から不安で怖くて、逃げたくて、おびえてしまったり、
打った後泣いてしまうことがありますが、

実は、当然ですが、
【現実】の注射の痛みは、
【針がチクッと刺した痛みのみ】なんです。

 

それ以外の痛みや不安は、
自らが創り出した世界
現実とは別の言わば【バーチャルな世界】の苦しみなんです」

 

「そして実は【苦しみ】とは、
その自ら生み出しどっぷりと浸かっている【バーチャルな世界】【現実】とのギャップのことです。

いつまでも若くありたいなどと現実ではありえないことを
強く願えば願うほど、
そのギャップがあればあるほど
苦しくなってしまいます。」

 

気づかないうちに
自ら創り出した【バーチャルな世界】にどっぷりと浸かっているからこそ、
私たちは苦しんでしまいます。」

 

だからこそ私たちが、
できるだけ現実に近づいて生きられるようにする。
思考を弱めて現実に歩み寄る
思いの暴走を食い止めようとすること。」

 

身体(姿勢)を調えて、呼吸を調えて、を調える」

 

坐禅を表す言葉として【無】などと言ったりするのは、
まさしく私たちのこの思いの作用治めていこうとする試み、
トレーニングだと思うのです」

 

そんな思いをお伝えしながら実際の撮影に入ったのでした。
(もちろんそのようなお話の内容は放送には入りようがありませんが)』

 

「宇野、THE 禅」#67 永正寺(1)

「宇野、THE 禅」#68 永正寺(2)

江南 永正寺(葬儀改革、癒し空間、コンサート)

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