2012.11.14
一口、料理を食べた瞬間。
「 全然、味がしないな~ 」
なんだか物足りない。
醤油やソース、塩、コショウをかけて、
ようやく味がする。
どうせ食べるなら
味がはっきりしている濃い味付けにしたいっ!
でも、
濃い味付けの料理は、
どうしても塩分が多くなってしまうので、
後々、様々な健康の不安を抱えることになりかねません。
私たちは、常に!?、
「 美味しいものを食べたい 」と思っているのですが、
節度を保った味付けにすることが大切です。
濃い味の刺激ばかりを追い求めてしまうと、
辛いもの、甘いものなど、
調味料を大量にかけてしまうことが、
どんどんエスカレートして、
結果、
大味のものばかり、味覚障害のような状態になりかねません。
そして、大切な健康を損なってしまうことがあります。
私たちは、
もっと美味しいもの、
もっと楽しいこと、
もっと充実したこと、
もっと夢中になること、
もっと面白いこと、
もっと幸せになること、
もっと感動を!
など、
常に刺激を求めているものですが、
実は、
それらの刺激を得られれば得られるほど、
その刺激に対して鈍感になり、
よりもっともっと過激なものを求めてしまうものです。
そんな生活と価値観に
どっぷりつかってしまっている私たちは、
すでに刺激中毒の症状です。
これが
私たちの今の暮らしを息苦しくさせている一因だと思っています。
さて、
日本の伝統的な価値観!?に
「 侘び 」「 寂び 」などがありますが、
これは実は、
うす味の妙です。
どんどん刺激を追い求めていくのではなく、
うす味の中での
微妙な味の違いを楽しむこと。
感性を研ぎ澄ませて、その僅かな変化に驚きを発見していくものです。
これは、
仏教でも同じです。
坐禅をして、心を落ち着かせ、
いたずらに刺激や欲望に踊らされないように心がけ、
感性を磨いて、
現実のありのままを愛で楽しむものです。
「 少欲知足 」
「 吾れ、唯、足るを知る 」
の境地とは、
我慢をして現状に満足しましょうという意味ではなく、
瑞々しく生き生きとした心をつくることなのです。
※当然のことながら、このブログはあくまで私の個人的な解釈です。
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